人には明らかに「お金の器(うつわ)」というものがあります。この器は決して固定されたものではありません。努力や修練や経験によって大きくすることが出来ます。とは言え、とにかく人にはそれぞれ今この瞬間における「お金の器」というものがあるわけです。そして、その人のお金にまつわる思考と判断と行動に、このお金の器のサイズは大きな影響を及ぼします。
「宝くじで大金を得た人が、数年ですべてを失い、宝くじに当たる前よりももっと貧乏になる」という話をネットで読まれたことはありませんか? 宝くじに当たったこと自体はまぎれもない超絶大ラッキーです。しかし残念ながら当たった人がその時その瞬間に持っていたお金の器が(当選金に比べて)あまりにも小さ過ぎたために、当選金が全部こぼれ出ちゃったわけです。
もう少し具体的にそのメカニズムをご説明いたしましょう。
①宝くじにあたり数億円の大金を手にする。
②自分はお金持ちになった!と思う。
③この結果、この人はお金持ちのように振る舞おうとする。
④しかし、本当のお金持ちの振る舞い方を知らないので、その人が勝手に想像する「お金持ちの振る舞いモドキ」を実行してしまう。
⑤具体的には、豪邸を買う、高級車を買う。高級な家具を買う。高級ブランドバッグを買う。高級な外食や、高級な海外旅行に出かける、などなどです。
さて、私の過去のブログ記事「お金持ちの定義」をお読みになった方ならもうお分かりだと思います。そうです。この人は大きな勘違いをしています。確かに、この人は宝くじに当たって数億円の銀行預金を手に入れました。しかしこの時点ではまだこの人は全く「本当のお金持ち」になどなれてはいません!
私の定義では、たとえ何億円の銀行預金を持っていたとしても、生活費その他全ての支出合計額を上回る金額を、正しい投資・本当の運用によって生み出せていない人は、お金持ちとは認められません。
実際に少し時間が経てば、残念ながら私のこの言葉の正しさが証明されてしまうでしょう。つまりこの人は、その後も「非お金持ちマインド」から生まれる思考・判断・行動によってどんどんお金を失い続けるでしょう。
宝くじに当選して以降に身についてしまった浪費癖は当選金を失ってもなかなか改められません。そうしてついには宝くじに当選する以前にもともと持っていたご自分の預貯金までも食い潰し、宝くじに当選する以前よりももっと酷い一文無し(あるいは借金持ち)に転落してしまうというわけです。
もう少し詳しく検証してみましょう。
まず、当選した後のこの人の行動内容は、、、まぁ余りにも酷すぎて言葉も出ません。豪邸、高級車、高級な家具、高級ブランドバッグ、高級な外食、高級な海外旅行。。。馬鹿じゃないでしょうか?最初からそんなことにお金を使ったら、せっかく素晴らしい収益をもたらし得る投資資金を大きく減らしてしまうだけではありませんか!まずは資産が自動的に増える状態を築き上げるのが先です!
結局この人の頭の中では「お金とは使って物を買ったり消費して楽しむもの」という、お金についての一面しか認識できていなかったわけです。「お金とは豊かさをもたらすための大切な運用原資である」という普通のお金持ちなら当たり前に持っている、お金についての超重要な一面への認識が欠落しています。このために、この人はあっという間にお金を失い、貧乏に転落すべくして転落するわけです。
もしも私がこの人なら全額楽天証券に送金して、全額ドル転して、全額 VOO(S&P500に連動するETF)に変えて、、、以上!おしまいです!あとはいつも通りの生活を続けるだけ。とは言え、たったこれだけで(その年はその年の市場の成り行きしだいですが)長期的平均として年間数千万円レベルでいとも簡単に資産は増え続けるでしょう。そして歳月を経るにともない資産の増加速度は加速していくでしょう。もしも贅沢したいのなら、その増えたお金の一部でいくらでも心置きなく贅沢すればいいのです!
もちろん、いきなり私のような行動を取ることは「お金持ちマインド」も「お金持ちに相応しいメンタル」も両方とも(まだ)持ち合わせられていない人には難しいと思います。だからまずは落ち着いて、当選金は当面銀行預金のままでいいから、とりあえずここの「お金と投資の哲学公式サイト」で勉強する。「父から娘に贈る13のお金と投資の哲学」を買って(Kindle版でもいいです)勉強する。
そうすれば、ご自分なりの「お金と投資の哲学」を築き上げることが出来ます。結果、ご自分なりの正しい運用方法を見つけ出して当選金を正しく運用し、一生お金持ちとして安泰に過ごせることでしょう。さらには自分自身だけでなく、末永く子々孫々までお金持ちでいられる可能性だって高まると私は思いますよ!
(文: UEDA / 挿絵:αβγ)
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